V-CERAシリーズは、内外輪とボールがセラミックのタイプのセラミック軸受です。
セラミックベアリング「V-CERAシリーズ」は、液中・真空中・高温環境といった特殊環境下において、オールマイティに使用をする事ができます。
セラミックベアリングは下記の特徴があります。
「耐腐食性」「耐熱性」「軽量性」「絶縁性」「非磁性」「ノングリス」「低トルク」
主に金属ベアリングをご使用の際に腐食や電食、グリス飛散といった問題がある際の改善の為にご使用いただいております。
「V-CERAシリーズ」の中で最もスタンダードなタイプは内外輪がジルコニアの「VZRタイプ」です。
その他、負荷に対する耐久性が高い内外輪が窒化ケイ素の「VSNタイプ」、
高温対応・導電性を有した内外輪が炭化ケイ素の「VSCタイプ」があります。
保持器は、ご使用状況に応じて「PEEK」「PTFE」「保持器無し」から選択が可能です。
◇保持器なしの総ボール(フルボール)タイプについて詳しくは、「ベアリング豆知識 -総ボール(フルボール)タイプのベアリング-」をご参照ください。
◇ サイズ一覧表はこちらをご参照ください。
例えば、CHIYOBEAのセラミックベアリングをご採用頂く事で下記のような改善事例があります。
▶ SUS製ベアリングを使用していたが腐食が発生し、寿命が1ヶ月しかなかった→セラミックベアリングに変更する事で腐食の発生がなくなり、寿命が半年に伸びた。
▶ SUS製ベアリングを使用しておりロールに錆が発生する問題があった→セラミックベアリングの採用で錆の発生がなくなった。
▶ セラミックベアリングは高価で重要箇所にしか使用できなかったが、CHIYOBEAでコストダウンをし、他の工程にも展開ができた。
ジルコニアベアリング(VZRタイプ)
VZRタイプは、最もスタンダードなセラミックベアリングです。
内外輪にジルコニアを使用し、ボールと保持器は様々な材質を選択する事ができます。
グリスを必要とせず、クリーンな状態で使用ができ、錆びる事がありません。
薬液環境や海水環境など、一般の軸受鋼のベアリングでは錆びるなどの理由で
使用できない環境でも使用する事ができます。
耐熱温度は、保持器がPEEKの場合、260℃です。
保持器無しの場合は、400℃です。
窒化ケイ素ベアリング(VSNタイプ)
VSNタイプは、内外輪に窒化ケイ素を使用したタイプです。
ボールと保持器は様々な材質を選択する事ができます。
VSNタイプは、負荷に対する耐久能力及び回転性能が高いタイプです。
耐熱温度は、保持器がPEEKの場合、260℃です。
保持器無しの仕様を選択した場合は800℃になります。
炭化ケイ素ベアリング(VSCタイプ)
VSCタイプは、内外輪に炭化ケイ素を使用したタイプで導電性があります。
保持器なしの仕様の場合、最高使用温度は1100℃になります。
炭化ケイ素は、強酸や強アルカリにも腐食されにくい材質であり、腐食環境の使用にも向いています。
耐熱温度は、保持器がPEEKの場合、260℃です。