ベアリング豆知識 -構造編- 樹脂ベアリングを分解しました!

前回のベアリング豆知識で、ベアリングの構造について説明をさせて頂きました。
用語だけではなかなかイメージが湧かないかと思いますので、今回は、ベアリングの構造について、実際の樹脂ベアリングを分解して解説をさせて頂きたいと思います。

前回のおさらいです。
・CHIYOBEAが展開しているセラミックベアリング・樹脂ベアリングは、転がり軸受です。
・転がり軸受は転動体にボールを使用する玉軸受とコロを使用するころ軸受に大別されます。
CHIYOBEAは、玉軸受になります。転動体にボールを使用しています。
・転動体が接触する外側を外輪、内側を内輪といいます。
・転動体を一定間隔で保持しているものを保持器といいます。
・転がり軸受の構造は、内輪と外輪の間に玉かころ(転動体)があり、転動体が転がる事でスムーズに回転をします。

それでは早速、樹脂ベアリングを分解して各部品を見ていきたいと思います。
各部品の実物を見て頂く事で「外輪」「内輪」「保持器」「ボール」の形状や関係(構造)が理解しやすくなると思います。
今回、分解に使用したベアリングは、内輪・外輪・保持器の材質が「PTFE」で転動体(ボール)が「Sic」のタイプです。

 ベアリングの組み立てや分解には専用の治具と工具を使用します。
時々、お客様から「ボールはどのように入れているのですか?」と質問をお受けする事があります。

 分解が完了しました。
左から「外輪(PTFE)」「内輪(PTFE)」「保持器(PTFE)」「ボール(Sic)」となります。

画像の左側が外輪、右側が内輪です。
外輪の内側と内輪の外側は、転動体(ボール)が接触する部分(軌道面)になります。
外輪・内輪ともにボールがはまるように溝の加工がしてあります。
転動体(ボール)がスムーズに回転するように滑らかに加工されています。

保持器はこのような形状をしています。これもPTFEという樹脂です。転動体(ボール)を一定間隔に保持できるような構造をしています。
外輪・内輪とボールの位置関係の為にも重要な部品です。

3ヶだけ転動体(ボール)を入れてみました。よりイメージして頂きやすいかと思います。

ボール(Sic)は光沢がある事をご確認いただけると思います。
表面状態をきれいにすることで、スムーズな回転を実現しています。

ベアリングは精密な製品であり、今回、見て頂いた各部品にも精度が要求されます。
各部品を精度よく製作し、精度良く組み立てる事が良いベアリングの条件になります。

今回は、実際にベアリングの分解をさせて頂きました。
各部品の実物を見て頂く事で、外輪・内輪・保持器・転動体(ボール)の形状や構造について、イメージして頂けたのではないでしょうか。
また皆様にとって有意義な情報をお届けしたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いします。