ベアリング豆知識 -ベアリング(軸受)の等級-
今回は、ベアリング(軸受)の等級について詳しくご説明したいと思います。
ベアリングの等級は、JISやISOによって精度別で等級が定められています。
等級は0級・6級・5級・4級・2級があり、精度は0級から順に厳しくなります(2級が一番、精度が良いです)。
同じ材質で同じサイズでもベアリング(軸受)の価格に差がある要因の一つに等級が違うという理由があります。
0級よりももちろん精度の良い2級のほうが高価になります。
通常の用途は0級(一般に並級ともいいます)のベアリング(軸受)を使用しますが、精度が要求される工作機械や高速回転が必要なモーターなど特殊な条件や用途においては、2級といった精度等級の良いベアリング(軸受)が必要になります。
ここで誤解をしないで頂きたいことは、0級(並級)は精度が悪いという事ではありません。
一般に流通しているほとんどのベアリング(軸受)は、0級です。
(上記の精度等級の分類は、「深溝玉軸受」「アンギュラ玉軸受」「円筒ころ軸受」「針状ころ軸受」に当てはまります。)
寸法精度と回転精度
転がり軸受の等級は、精度の許容差によって区別されます。
その精度とは下記の2点です。
・寸法精度
・回転精度
すなわちベアリング(軸受)の等級は、「寸法精度」と「回転精度」で分類されているのです。
寸法精度の許容差は下記の通りです。
- 内径・外径・幅・組立幅の許容差
- 面取り寸法・テーパ穴の許容差
- 内径不同・外径不同・平均内径不同・平均外径不同の許容値
- 軌道輪の幅不同または高さ不同の許容値
(高さ不同はスラスト軸受の場合)
回転精度の許容差は下記の通りです。
- 内輪・外輪のラジアル振れの許容値
- 内輪・外輪のアキシアル振れの許容値
- 内径に対する内輪側面の直角度の許容値
- 側面に対する外輪外径の直角度の許容値
今回は、ベアリング(軸受け)の等級について説明をさせて頂きました。
ベアリング(軸受)は大量生産される製品ですが、並級の0級といっても高い精度で製造されています。
CHIYOBEAの特殊環境軸受(セラミックベアリング・樹脂ベアリング)についても特に精度のご指定を頂かない際は、0級で製造をさせて頂いております。
もし、精度等級の良い製品がご必要な際は別途ご相談ください。
(ただし、精度等級では表せない樹脂ベアリングは除きます。樹脂ベアリングは、樹脂という特性上(温度や湿度による寸法変化など)、精度等級では表せませんので、ご了承の程よろしくお願いします)。