セラミックベアリングは割れるのか!?

セラミックベアリングは割れるのでしょうか!?

「はい。セラミックベアリングは、陶器やガラスの仲間であり、衝撃などが加わると割れてしまいます。」

セラミックスは、硬く、耐熱性や耐食性に優れている材料ですが、衝撃など外部の力が加わると割れてしまいます。
セラミックベアリングも同様で選定や使用箇所が適さない場合は、「割れる」という現象が発生してしまいます。

画像は高温環境下で使用されたセラミックベアリングで、シャフトとセラミックスの熱膨張係数の違いにより割れたものです。
(保持器がないタイプです。)

セラミックベアリングが割れる原因で多いのが、セラミックベアリングを取り付けるシャフト(例えばステンレスといった金属)などとの熱膨張係数による違いによる割れです。
高温環境でご使用される場合に発生します。
また、大きな外部的衝撃が加わった際も割れてしまいます。
一方で、セラミックベアリングは、適切な選定と使用箇所に問題がなければ、非常に長期間にわたって使用ができる製品でもあります。

セラミックスの製造方法は各社によって異なります。
セラミックスは通常のセラミックスとファインセラミックスに分けられます。
通常のセラミックスは、陶石・長石・粘土など天然の鉱物を使用して製造されます。
一般的な陶磁器やガラス、セメントがこちらに分類されます。
CHIYOBEAが展開するセラミックベアリングは、高純度に精製された原料を使用して製造されたファインセラミックスを使用して製造されています。
ファインセラミックスは、「原料の調合」「造粒」「成形」「生加工」「焼成」「加工」「検査」といった工程を経て製造されます。
この原料(純度)や工程といった製造の方法に違いがあり、同じファインセラミックスといっても緻密なファインセラミックスかそうではないかという違いが発生します。

もし通常にセラミックベアリングをご使用されており、時々、割れやカケが発生するといった問題が発生している場合は、この各社による製造方法の違いによる差があるかもしれません。高純度な原料を使用し、焼成など製造工程が緻密にコントロールされていると小さな傷(クラック)が少なく、割れが発生しにくくなります。
同じセラミックスといっても原料や製造工程によって緻密さが異なる為、「割れやすい」「割れにくい」という現象が発生する事があるのです。

基本定格荷重内の使用や使用箇所に問題がなければ長寿命で使用できるセラミックベアリングですが、「割れるのが怖い」という場合もあるかと思います。
その際は、ハイブリッドベアリング(内外輪:ステンレス・ボール:セラミック)というラインナップをご用意していますので、そちらをご検討ください。
(CHIYOBEAは、ハイブリッドベアリングを「BRIDIX」というシリーズで展開しております。)
このハイブリッドベアリングもセラミックベアリングの特徴である「ノングリス」や「低トルク」でご使用する事が可能です。
また内外輪が金属(ステンレス)の為、割れるという心配はありません。

少しセラミックベアリングのご使用を躊躇されるような内容になったかもしれませんが、きちんとセラミックベアリングの事を知っていただいたうえでご検討・ご使用を頂くのが良いとCHIYOBEAは考えています。
セラミックベアリングは、金属ベアリングをご使用時に発生する様々な問題を解決できる可能性があります。(詳しくは、「特殊環境軸受(セラミックベアリング・樹脂ベアリング)による改善について」をご参照ください。)
ぜひともセラミックベアリングの事をご理解いただいたうえで、ご検討を頂き、金属ベアリングご使用時に発生している問題解決のお手伝いができればと思います。