ノングリスで使用できるセラミックベアリングと樹脂ベアリング

 先日、「樹脂ベアリングを分解しました!」というコラムで樹脂ベアリングを実際に分解し、ベアリングを構成する部品や構造の説明をさせて頂きました。
その時に気付かれた方もいるかもしれませんが、一般的な金属ベアリングで使用されている潤滑剤(グリスや潤滑油)が樹脂ベアリングには使用されていません。
CHIYOBEAが展開する特殊環境軸受(セラミックベアリング・樹脂ベアリング)は、「グリスや潤滑油がなくても使用できる」という大きな特徴を持っています。

「樹脂ベアリングを分解しました!」のコラムでは外輪や内輪、ボールの実物を見て頂きました。外輪や内輪の軌道面は研磨され、ボールは光沢があったと思います。
セラミックベアリングや樹脂ベアリングを構成する部品は、潤滑剤がなくても回転ができるような材質を選択し、加工方法が施されているため、ノングリスでもスムーズに回転するのです。

セラミックベアリング・樹脂ベアリングのノングリスのメリット

では、潤滑剤がない(ノングリス)状態でベアリングが使用できると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 ひとつ目は、潤滑剤が飛散しないというメリットがあります。
例えば、半導体や液晶が製造される工程はクリーンな環境が求められます。
また医薬品や食品の製造現場もクリーンさが求められます。
そのようなクリーンな環境が求められる製造現場では、潤滑剤の飛散がない、ノングリスのセラミックベアリングや樹脂ベアリングが使用されています。

 ふたつ目は、潤滑剤を使用していない為、液中や水中でも使用できるというメリットがあります。
例えば、フィルムの製造工程では液中を通過する工程があります。そのような箇所の回転部にノングリスの特殊環境軸受が使用されています。
(ノングリスとは関係がありませんが、液中で使用してもセラミックベアリングや樹脂ベアリングは錆びないという特徴もあります)。

 また、高温環境下では潤滑剤を定期的に給油する必要がありますが、特殊環境軸受(セラミックベアリング・樹脂ベアリング)を使用する事で無給油での使用が可能になります。
例えば、定期的な給油が大変といった箇所に使用されると、メンテナンス時間の軽減につながります。

 さらに、低トルクで回転するという特徴があります。小さな力で回転する為、スムーズな回転が要求される箇所に使用されています。

 ノングリスで使用できるセラミックベアリングや樹脂ベアリングには、ノングリスであるが故のメリットが多くあります。
金属ベアリングをご使用の際に、「グリスが飛散して困っている」「液中で使用できるベアリングを探している」「高温環境下のベアリングのメンテナンスが大変」「低トルクでスムーズに回転させたい」といったお困り事がある際は、ぜひCHIYOBEAの特殊環境軸受(セラミックベアリング・樹脂ベアリング)をご検討ください。