ベアリング豆知識 -全般(用語)編-

ベアリングは聞いたこともあるし、形も知っているという方は多いと思います。
この「ベアリング豆知識」では、よく見たり聞いたりするベアリングについて、少しでもお役に立てるような情報をご提供したいと思います。
今回は、「全般(用語)編」です。ベアリングを取り扱っているとよく聞く、全般的な用語について簡潔にご紹介をしたいと思います。

ベアリングは軸受といわれる事もあり、現在では掃除機・エアコン・コピー機・自動車・電車など様々なものに使用されています。

ベアリング(軸受)は、すべり軸受転がり軸受に大別されます。
CHIYOBEAが展開しているセラミックベアリング・樹脂ベアリングは、転がり軸受になります。

転がり軸受は転動体にボールを使用する玉軸受とコロを使用するころ軸受に大別されます。
転動体が接触する外側を外輪、内側を内輪といいます(スラスト軸受の場合は、軸起動盤とハウジング軌道盤といいます)。
また転動体を一定間隔で保持しているものを保持器といいます。
上記の通り、転がり軸受の構造は、内輪と外輪の間に玉かころ(転動体)があり、転動体が転がる事で回転をします。
すべり軸受と異なり、ころがり軸受は転動体の摩擦抵抗が小さく、スムーズに回転します。
(ベアリングの構造と各部品については、「ベアリング豆知識-構造編-樹脂ベアリングを分解しました!」に画像付きの各部品を掲載していますので、より分かりやすいと思います。)

軸に対して垂直に作用する外力をラジアル荷重、軸方向に作用する外力をアキシアル荷重(スラスト荷重)といいます。

ベアリング(軸受)の主要寸法は規格化されており、ベアリング(軸受)の基本番号からベアリング(軸受)の形と主要寸法が分かります。
6000番といった番号です。

精度等級は、0級、6級、5級、4級、2級の順で2級の精度が一番良いです。
通常の精度等級は0級になります。
(精度等級について詳しくは、「ベアリング豆知識-ベアリング(軸受)の等級ー」をご参照ください。)

取付け前のころがり軸受の軌道輪と転動体(ボール)との間を内部すきまといい、ラジアルすきまアキシアルすきまがあります。
ラジアルすきまの大きさを順番にC2すきま、普通すきま、C3すきま、C4すきま、C5すきまとJISで規定されています。

ベアリング(軸受)が機械に取り付けられて運転される時のすきまを運転すきまといい、このすきまの大きさは、軸受の寿命、発熱、振動、音響などに影響を与えます。
疲れ寿命の観点から運転すきまはゼロに近い最小のすきまにすることが理想ですが、寿命よりも軸受システムの剛性(変形しない性質)を優先させたい場合は、軸受に荷重をかけてすきまをマイナスにします。このことを与圧を与えるといいます。

ベアリング(軸受)は軸に2ヶを向かい合わせて使用するのが普通です。
セラミックベアリングは、外輪とハウジングの間もしくは内輪と軸の間にすきまができるような「すきまばめ」で使用します。
一方で、ハウジングの穴の寸法が外輪よりも小さい、または内輪が軸径よりも小さい時の寸法差を「しめしろ」といい、つねにしめしろができるようなはめあいを「しまりばめ」といいます(常にすきまができるようなはめあいが「すきまばめ」です)。

同じ工場の同じ工程で同じ形状のベアリング(軸受)を大量に製造した場合、同一条件で回転をさせても破損が発生する時間には大きなばらつきが出ます。
ベアリング(軸受)を同一条件で回転させたとき、90%が破損を発生せずに回転できる総回転数を「基本定格寿命」といいます。
そして、100万回転の定格寿命が得られる荷重を「基本動定格荷重」といいます。
最大荷重を受けている接触部中央で、転動体と軌道の永久変形量の和が、転動体の直径の 0.0001倍になるような方向と大きさが一定の静止荷重を「基本静定格荷重」といいます。
(「基本定格荷重」「基本定格動荷重」「基本定格静荷重」について、詳しくは「ベアリング豆知識-基本定格荷重と基本定格動荷重・基本定格静荷重-」もご参照ください。)

また、外径が9mm未満の軸受をミニチュアベアリング(軸受)といい、ベアリング(軸受)の種類のひとつである自動調心ころ軸受は、球面と軌道との間に大きな差動すべりが生じる為、摩耗が生じ、高速回転には適していません。

ベアリングを取り扱っているとよく聞く言葉を説明させて頂きました。

CHIYOBEAが展開する特殊環境軸受(セラミックベアリング・樹脂ベアリング)は、転がり軸受で転動体にボールを使用する玉軸受です。
またセラミック製やステンレス製でもミニチュアベアリングや自動調心ベアリングを製造する事も可能です。
精度等級は内部すきまなどは総合カタログに詳細が記載されておりますので、ぜひ総合カタログをご参照ください。